「……っ……!」 俺は彼女の乳房を強く揉み、勢い良く放した。 彼女の乳房は大きく揺れて、すぐに元の形へと戻る。 「……フ、フェイン……?」 どうしたの? とでも言うような顔で彼女は俺を見た。 肩透かしを食らったような残念そうな顔。 初めてでも女は女の顔をするものだな……。 けれど、そういう顔は中々間抜けで可愛いと思う。 お預けと言われた犬みたいに良しと言われるまで待っているようだ。 俺は彼女を見つめながら自然と口が笑っていることに気付く。 俺の視線に彼女は我に返り、顔を真っ赤に染め再び胸を自らの手で隠した。 口を噤み、瞳には涙を浮かべている。 「……ウィニエル……?」 俺は彼女が何故涙ぐんだのかわからず、彼女に声を掛ける。 「わ、私……変ですか?」 「変? ……何が?」 「……だ、だって……フェインってば笑ってるから……」 彼女は上目遣いで訝しそうに俺を見つめた。 「え? ……あ、すまない。違うんだ、君があまりに可愛いから」 「え?」 そう、新たな君を知ることが出来て嬉しくて、つい。 「……そ、そうですか……」 彼女は俺から視線を外して迷いがちに応えた。 「……見せて?」 「…………」 俺は再び乳房を見せて欲しいと彼女の腕を振り解こうとしたが、ウィニエルは今度は首を横に振って悪戯に笑ってみせた。 その顔がやはり可愛くて。 俺は確実に彼女に惹かれている。 「……わかった……」 「えっ……あっ!?」 今度は彼女の下半身へと手を伸ばす。 素早くミニスカートのボタンを外し、彼女から剥がしてしまう。 残ったのは、白いレースの下着のみ。 天使も下着を付けるのか……と感心してる場合ではない。 俺はそれに手を掛ける。 「……やっ……あのっ……」 俺の手に小さな手、細い指が止めに入る。 「……ウィニエル……」 「……だ、だってあのっ……」 「……胸がいいのか?」 下着を取り去ろうとする俺の手を止めるように置いた彼女の手が彼女の乳房を露わにする。 俺は下着に掛けた手から乳房へと手を移動させようとした。 「やっ……そういうことじゃなくてっ……!」 慌てて彼女は乳房を覆い隠すように腕でガードする。 俺はその隙を見て、彼女の下着を擦り下ろした。 そして、そのまま下着を床へと投げ捨てる。 「あっ……」 彼女はしまったという顔をして、脚を閉じ、俺に見せないように両足を揃えたまま身体を横に倒した。 「……ウィニエル……」 「……は、恥ずかしいですっ!」 このままでは埒が明かない。 恥らう彼女もいいが、乱れる君も見てみたい。 「別に恥ずかしくなんかない」 俺は彼女の滑らかな脚に手を乗せる。 彼女の肌は吸い付くように手に馴染み、俺の思考を止めて、無意識の内に力を込めて、揃えた両足の自由を奪う。 彼女の身体をまた一つ開いていく。 「あっ……やっ……!!」 目の前に彼女の秘部が俺を待っているように小さく動いた。 薄暗くて色は良くわからなかったが、弾力の良い花弁がうっすらと湿り気を帯びているのは微かに月明かりを反射していることからわかった。 そして、その上にある小さな突起が俺に見られているのに気が付くと「見ないで」と言って刹那動いた。 それから俺の意識は飛んでしまう。 無言のまま、彼女の秘部に舌を這わせる。 「っ……んっ!!」 彼女は身体中に電気が走ったのか、身体を仰け反らせた。 俺は舌先に彼女を感じていた。 俺の舌を温かく包み込む深く狭い花弁、その上にある最も快楽を敏感に感じる突起。 俺の舌が彼女の秘部を往復する度に聞える静まり返った部屋に響く粘着質の音。 酷い背徳感が込み上げてくる。 天使を地の底に堕としているような、いや、高みに導いてはいるのだが、どうにもその背徳感が俺を雁字搦めにして、決して消えることのないセレニスへの罪悪感を乱し、不透明にしてゆく。 彼女の声が、 彼女の音が、 彼女の汗が、 堕とされているのは俺なのかもしれない。 彼女の全てが俺を堕としていく気さえする。 そしてそれを俺は今求めている。 彼女と堕ちる所まで、地の底まで一緒に行きたい。 例え地獄へ堕ちようとも、一緒に。 通常ならこんな思いは決して抱かない。 彼女の魔法に操られ出た思いだ。 セレニスを愛しているが、今はそう思ってしまう。 彼女の魔法の所為で身体が熱くて、どうしようもない。 彼女を求めてしまう。 やはり俺は卑怯者なのだ。 「あっ……何……これっ……んんっ……はぁ……」 彼女の吐く息が宙に白い霧を小刻みに描く。 先程よりも強く感じているのは俺の頭を力なく押さえていることから伝わった。 乳房の芯はそそり立ち、まだ刺激を求めているような気さえする。 俺はその芯を摘んでやろうと思ったが、彼女の脚が何度も閉じようとするため、それをさせまいと脚を開かせるのに手一杯だった。 そして優しく丁寧に、時折強い舌使いで彼女の秘部を攻める。 その度に彼女は顔を赤く染めて小さく声を出した。 その声がもう少し大きかったら俺の意識は完全に飛んでいただろう。 とはいえすでに半分は何かが外れ、彼女から離れようとしない自分がここにいるのだが。 「フ、フェインっ……あっ……やっ……何かっ……」 彼女の顔が恍惚の表情へと変わっていくのがわかる。 喘ぎ声が俺を求め、俺はそれに応える。 彼女の喘ぎが少し大きくなる。 これ以上、大きな声を出さないでくれ。 これ以上、俺に魔法を掛けないでくれないかウィニエル。 余裕だと思っていた糸はいつの間にか張り詰めていて、突然脳内に音を立て、切れた。 早く、 早く、 ……君のイク時の顔が見たい。 理性はとうに消えていた。 彼女もいつの間にか脚を閉じるのを止め、俺の頭を押さえて息苦しそうに素直に喘いでいる。 彼女が俺の髪を掴む。 痛みはあるが、そんな痛みさえも彼女は魔法にしてしまう。 もっと激しく、優しく、 溶けていくように大事に愛撫してね、 ……そんな風に求められたら、俺はどう応えてあげようか。 「……んんっ……っ!!?」 彼女の身体が刹那大きく震え、その後小さく小刻みに震える。 そして、俺は一旦動きを止め、彼女の顔を見る。 彼女の顔が見たい。 堕ちて乱れた天使の顔が見たい。 「……っ……うう……こ、こんな……っ……あっ!」 彼女の顔は苦痛に歪んでいた。 瞳に涙が見えたが、俺は泣かせないように指で彼女の秘部の突起や、花弁を優しくなぞった。 空いた片手は勃起した乳房の芯を摘んで、先程より強めに左右に転がしてやる。 「あんっ……フ、フェインっ!!」 彼女の声は色っぽく、顰めた顔の瞳からは自然に零れた涙と、肉厚の唇からは透明なとろみを帯びた雫が零れる。 その光景が俺をそそらせていることに彼女は気付いていないだろう。 彼女の秘部をなぞる俺の指は花弁を開いて、その中へと侵入する。 人差し指をたった一本入れただけで、彼女は俺の指をきつく締め付けた。 「……フ、フェイン……!?」 俺と顔を合わせながら彼女は顔を赤くし、目を丸くした。 彼女の花弁から溢れ出ている雫が痛みを和らげている。 俺はゆっくりと指の付け根まで挿入すると、今度は全部抜けないようにまたゆっくりと入口擦れ擦れの所まで抜いてやった。 俺はそれを何度か繰り返す。 彼女の締め付けは相当なものだったが愛液が俺の指に絡み付いて滑りは悪くなかった。 「……んっ……はぁっ……」 彼女は俺の指の動きと同じに眉間に皺を寄せ、力を入れたり抜いたりして身体を捩る。 「痛くはないよな……ウィニエル……?」 俺は乳房を弄っていた手を止め、彼女の飴色の髪を掬って匂いを嗅いだ。 何の匂いかわからないが、花なのだろうか、甘い香りがほのかに香った。その匂いが更に俺を酔わせていく。 「……はい……でも何だかっ……」 下から受ける刺激にいちいち反応しながら彼女は肩で息をした。 「……何だか……?」 俺は彼女に訊ねて少しピッチを早める。 俺の指が彼女の肉壁と擦れ合う度に、普段聞き慣れない粘着質の淫猥な音が部屋に響く。 「……へ、変な感じ……はぁ……」 彼女の吐く息が白く宙を舞う。 「……変な感じ……ね……」 変な感じとはどんな感じなんだろうか。 この場合、もっと別の言い方があるんじゃないのか? まぁ、初心者である彼女が言うことだからこんなものなのだろう。 むしろ、その物言いの方が俺としてはそそられる所ではある。 それでも彼女が快楽を感じ始めていることは上気した彼女の赤い頬と唇から零れる雫でわかった。 俺自身もそろそろ限界だ。
to be continued…